いつ?誰が?1割負担から2割負担になるの?
2021年6月4日、医療制度改革関連法が成立し、ある一定の所得がある75歳以上の後期高齢者の医療費の窓口負担が2割に引き上げられることが決定しました。
当時はTVのワイドショーなどでも度々取り上げられたりしていましたが、最近はさっぱり見る事が減ってきていますが、もうすぐ引き上げが始まるので改めて、いつ?どのような人が1割から2割負担になるのかお話ししていきたいと思います。
さて、いつから医療費の窓口負担が1割から2割へ引き上げられるのか??
すぐです!!
もうすぐ引き上げられてしまうのです!!!!
2022年(令和4年)10月1日!!
団塊の世代(戦後の1947~1949年生まれ)の方たちが2022年から75歳となり、少子高齢化で現役世代の医療費負担が増加してしまうというのは理解できますが、実際、1割負担であった医療費が2割負担になってしまうのは、対象の人から見ると正直痛いですよね、、、、

2022年後期高齢者2割負担導入は誰が対象か??
自己負担割合引き上げの対象は、一定所得のある75歳以上の後期高齢者です。
また、本人年収200万円以上の後期高齢者です。
今回の医療費負担引き上げは、所得金額に加えて世帯内の後期高齢者の人数によっても異なります。
まず、世帯内の後期高齢者のうち、最も収入が多い方の課税所得金額が28万円以上であることが前提です。
さらに世帯内に後期高齢者が2人以上いる場合といない場合によって、自己負担額の割合が1割か2割か異なります。
世帯内に後期高齢者が2人以上いる場合には、「年金収入+その他の合計所得金額が320万円以上」の場合は2割負担となります。(320万円未満の場合は1割負担)、また世帯内の後期高齢者が1人の場合には、「年金収入+その他の合計所得金額が200万円以上」の場合には2割負担となります。(200万円未満の場合は1割負担)

75歳以上の人が、2割負担になるかどうかの線引きは?
75歳以上の人が、2割負担になるかどうかの線引きは、「所得」と「収入」の2つで判断される!
年金や勤務先からの給与の合計から、必要経費や各種控除を差し引いた課税所得が28万以上あるかどうかを確認する。
課税所得が28万円未満なら、1割負担となります。課税所得のほかに、収入にも判断基準があるため、課税所得が28万円以上でも全ての人が2割負担になるわけではありません。単身者は年収200万円が引き上げラインとなります。
夫婦2人など、75歳以上に人が2人以上の世帯は、収入の合計が320万円以上になると2割負担になる。
ただし、激変緩和措置として、22年10月から3年間は、外来(通院)での窓口負担の増加額が最大でも月額3,000円までに抑えられることになっています。
※「課税所得」は収入から給与所得控除や公的年金等控除、所得控除(基礎控除や社会保険 控除)を差し引いた後の金額
※「年金収入+その他の合計所得金額」
・年金は、公的年金控除等を差し引く前の金額
・そのほかの合計所得金額は、事業収入や給与収入から、必要経費や給与所得額を差し引
いた後の金額
激変緩和措置について
後期高齢者医療制度(長寿医療制度)において、国民健康保険(被用者保険)の被扶養者など、いままで保険料が免除されていた方などは、保険料の負担が急激に増加する可能性があるため、軽減措置である激変緩和措置が設けられています。
1、世帯別平等割額について
国保世帯の一部の方が後期高齢者に移行することにより、国保加入者が単身となった場合
には、後期高齢者医療の加入者となった月から5年間は、(世帯別)平等額割を半額とし
、その後3年間は平等学割を4分の3とします。(ただし、世帯主に変更があった場合を除
きます。また世帯主に変更がないまま後期高齢者医療に移行した旧国保加入者に異動があ
った場合などは、その年度中は減額が続きます。)
2、軽減判定について
国保から後期高齢者医療に移行された方で、引き続きその世帯にいる場合は、後期高齢者
医療の加入者となった月からも、国民健康保険税の軽減を判定する際に、国民健康保険加
入時と判定する際に、国民健康保険加入時と同様の人数で判定を行います、(世帯主に変
更があった場合は、その月の判定には含まれません。)
3、被扶養者の扱いについて
被用者保険の被保険者が後期高齢者医療に移行し、その被保険者が国保に加入する65歳
以上の方(旧被扶養者)については、所得割額については当分の間、均等割額と平等割額
については加入者となった月から2年間、次の通り減免されます。

4,配慮措置とは?
①長期にわたる外来受診について、急激な負担増を抑制するため、世帯の所得の状況等に
応じて、2割負担になる者の外来受診の負担増加額について、最大でも月3,000円に収
まるよう措置を講じる。
※具体的には負担額が6,000円を超えた場合(すなわち医療費が30,000円を超えた場合)
には、超えた医療費については1割負担になるよう、高額療養費の上限額を設定する。
※窓口負担の年間平均が8.3万円⇒約10.9万円(+2.6万円)(配慮措置なしだと約11.7万
円(+3.4万円)
※負担増となる被保険者のうち、外来受診に係る配慮措置を受けられる者の割合約80%
②急激な負担増を抑制するためのものであり、施行後3年間の経過措置とする。
※同一の医療機関での受診については、今回設定する暫定的な高額療養費に沿って現物給
付化が可能。
※別の医療機関や調剤薬局、同一の医療機関であっても医科、歯科別の場合は現物給付の
対象とならないが、申請によりこれらを合算した1か月当たりの負担増加額は最大でも
3,000円となり、超える部分は最短4ケ月後を目処として償還される。
今回は、今年の秋から施行される後期高齢者の窓口負担額の引き上げについてお話させていただきました。
なかなか分かり難いとは思いますが、少しでも皆様がたの理解の足しになってくれれば嬉しく思います。
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